はこた人形
鳥取県中部、倉吉市のはこた人形は、天明年間(1778~81)から受け継がれてきた郷土玩具です。かつて、備後の国から行商に来た備後屋治兵衛が倉吉の素朴でつつましやかな娘に惹かれ、これを人形にしたといわれています。
桐の木型に和紙を張り重ね、乾いたら型から抜き取り、胡粉で下地を塗り、染料や日本絵具で彩色し、ニカワでツヤだしするなど、全12工程から製作される張り子細工です。「はーこさん」という愛称で呼ばれ、子どもの遊び相手であると共に、怪我や病気をしないで無事に育ってほしいという願いがこめられたお守りでもあります。