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城下町・鳥取をまちあるき

Posted by admin on 12月 13, 2007

木田さん
最近、ちょっとした”まち歩きブーム”のトリピー。このたびは鳥取県の県庁所在地・鳥取市内を散策してきました。
トリピーもよく訪れているスポットですが、ゆっくりとまちを歩いてみるのはこれが初めて。今回は、鳥取市観光ボランティア友の会・木田さん(左写真)に案内してもらいました。

まず訪れたのは、鳥取市街地の中心を流れる袋川沿い(右写真)。ここは春になると、両脇の土手沿いに植えられた桜が、見事な花を咲かせます。トリピーも春になると、一度は目にするその美しい光景ですが、そこにはある秘話が残されていたのです。
袋川
1952年(昭和27年)鳥取の歴史に残る大火事が発生し(鳥取大火)、袋川土手沿いの桜並木も焼き尽くされました。しかし、大火の後、ある人物によって桜の木が徐々に植林され、今の姿になったということです。
ある人物とは、学生時代を鳥取で過ごし、のちに京都大学助教授となった瀬川弥太郎氏で、”学生時代に見た美しい桜並木をもう一度復活させたい”という強い思いからの行動だったそうです。瀬川氏は名を伏せていたため、はじめは謎の人物とされていましたが、今ではその功績をたたえる碑が袋川沿いにつくられています。この話を聞いて、桜並木を見る目が変わったような気がしたトリピーでした。
ふるさと歌碑
そして向かったのは「きなんせ広場」。桜の碑からすぐの智頭橋にある広場で、”きなんせ”とは鳥取弁で”来て下さい・おいで下さい”という意味。
ここにはみなさんご存知の唱歌「ふるさと」のモチーフ像(左写真)があります。「ふるさと」の作曲者・岡野貞一は鳥取市の出身。ここ以外にも、袋川土手沿い(東側)には、岡野貞一と岩美町出身の音楽家・田村虎蔵(代表作/金太郎、大黒さまなど)の作品を楽しめる工夫がなされています。
荒木右又衛門の手水鉢
また、日本三大仇討ちで歴史に名を残す「荒木又右衛門」にまつわる荒木神社がここ若桜橋沿いにあります。荒木又右衛門の住居跡といわれ、又衛門が実際使っていたと伝わる手水鉢があります。お墓は同市内の玄忠寺にありますので、そちらもぜひ訪れてみてください。
川端銀座通り
ルートは若桜通りへ戻り、次は「川端銀座」へ。名前から察しがつくと思われますが、かつては賑わっていた商店街。当時の面影が残された建物を見ることができます。
そのレトロな佇まいを活用した新しいショップが近年次々とオープンし、若者達の注目を集めています(左写真)。目印は「かわばたぎんざどおり」と彫られた木製の看板です。
らっぱやのたい焼きをついばむトリピー
アーケードを抜けると、おいしいと評判のたい焼き屋「らっぱや」さんがあります。鳥取大火に見舞われたとき、当時の店主はまず「たい焼き器(たい焼きを焼く調理器具)」をもって火を逃れたといわれています。そんな商売魂あふれる、老舗たい焼き屋さんの味をぜひご賞味あれ!

五臓円薬局
通りを抜けて智頭街道へ。鳥取のメインストリートは、もともと鹿野街道。鳥取城の勢力拡大とともに智頭街道がメインとなり、今の若桜街道へ移行したのは明治時代、鳥取駅がつくられてからの事だそうです。智頭街道から久松山を望むと、鳥取城跡がよく見えます。
昭和6年に建てられ、鳥取大地震・鳥取大火にも耐えたという「五蔵円薬局」の建物はここにあります(左写真)。鉄筋コンクリート3階建ての建物は、風格さえ感じられるようです。
木造3Fの建物
木田さんからいろいろなトリビアを聞きながらたどり着いたのは、こちらも珍しい建物の前(右写真)。若桜街道沿いにあるものの、言われてみないと気付かないこの建物はなんと木造3F建て。現在の建築基準法では、都市部の防火地域は制約のため木造3Fは建てることができません。そんな貴重な建物を大切に守っていきたいですね。
○○の慰霊碑
次は本浄寺(ほんじょうじ)へ。ここには深尾角馬(ふかお・かくま)の墓があります(左写真/木田さんの左奥)。深尾角馬は名だたる剣士で、さまざまな逸話が残されていますが、ある罪を犯してしまったため切腹によりこの世を去りました。その説明をまじまじと聞くトリピー。鳥取にこんな人がいたなんて知らなかった~。その逸話を題材に描いた小説(「深尾くれない」宇江佐 真理・著/新潮文庫)も出版されているそうで、ぜひ読んでみたい!と思ったトリピーでした。
ほかにも見どころは盛りだくさんでしたが、ご紹介するのはここまでとしておきます。鳥取のまちを知り尽くした木田さんの説明はとってもわかりやすく、まち歩きの楽しさを実感することができました。
県外の方はもちろん、地元・鳥取人にもオススメです。鳥取市観光ボランティアガイド友の会まで、お気軽にお問合せください。

○鳥取市観光ボランティア友の会 事務局(鳥取市観光協会)
 TEL/0857‐26‐0756
 

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